宮崎賢太郎『潜伏キリシタン-知られざる信仰世界-』KADOKAWA,2026年4月

冬栞 HuyuShioriのブックレビュー アーカイブ

はじめに

私は最近、宗教に興味を持ち始めている。

それは美術史という文脈において作品の価値(図像)を読み解くには宗教を深く理解しなければならないと言うことに改めて気付いたからだ。

そのきっかけが適応障害を患ったことにある。適応障害になり、どうすれば働けるのか、生活できるのかを考えていた。そのなかで仏教という優れたメンタルケアがあるではないか!と思い至ったのである。

それを、もともとの自分の研究テーマである日本美術史に結びつけることで研究の進展が見られると感じ、積極的に宗教の勉強を始めたのである。

さて、近年、SDGsが叫ばれて久しいがその根本となっているのは他文化理解や多文化理解だと思う。自分の分かる範囲の文化や常識とは離れた文脈で生活している方々がこの世界には数々存在する。理解できないからといって放棄するのはおかしい。どんな現象にも必ず理由があり、価値がある。だから、批判する前にまずは理解するという努力が必要なのだ。

そこで、今回、興味を抱いたのがキリスト教である。

私は日本美術史が専門ということもあり、仏教のことばかり学んできた。そのため、西洋の文化に疎い。だからこそ、キリスト教を知りたいと思い、本書を購入しました。

ということで、本書のオススメポイントとレビューを提示しながら、紹介していきます!!

オススメポイント

本書のおもしろポイントはこちら👇

キリシタンには「厳しい迫害にも耐えて信仰を守り通した敬虔な信徒」というイメージがある。それは本当か?

そもそも、キリスト教は一神教なのか?

そうしたキリスト教に関する謎に果敢に挑んだエネルギーあふれる著書。

歴史の教科書で習った『悲劇の物語』に、どこか違和感を感じていた人にこそ読んでほしい一冊です。オススメです!!

レビュー

本書で取り上げられているのは「潜伏キリシタン」という存在である。この言葉を聞くと、信心深く命をかけて、キリスト教を守ってきたと思い浮かべる方が多いと思う。

宮崎氏はそれに対し、本当に日本の一般民衆がキリスト教に改宗したのか?今まで信じてきた宗教をそんな簡単に捨てることなどできるのか。と疑問を呈した。

そして、調査した結果、あくまで信仰の一つとしてキリスト教を扱っていたというだけで、数ある信仰の中の一つという感覚であったということを突き止めた。

日本の多神教文化において一つの宗教だけを信じるということは考えづらいのだ。そもそもが神仏習合であり、神道と仏教のハイブリッドである。そのなかにキリスト教が入り込んだというだけなのだ。

これから先の内容は本書を手に取って楽しんでほしい。カクレキリシタンに関するイメージが180度変わるよ!!

是非、購入してね!!

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