禅語「喫茶去」の簡潔な意味
「喫茶去(きっさこ)」は、中国唐代の禅僧、趙州従諗(じょうしゅう じゅうしん)が修行僧らに向けた禅語であり、文字通り「茶を喫(飲)んで立ち去りなさい」という意味です。
この言葉は、以下の思想的な教えを簡潔に示しています。
- 不立文字(ふりゅうもんじ)の実践: 複雑な教義や理屈ではなく、「今、目の前にある茶を飲む」**という極めて日常的な行為に意識を集中させることを促しています。
- 主体性の確立: 過去や未来の雑念を断ち切り、現在の一瞬の行為に全力を尽くすことで、自己の主体性を確立する、実践哲学としての側面を持ちます。
- 「日々是好日」との接点: 特別な場所ではなく、茶を飲むという日常のすべての瞬間が「道(仏道)」であるという教えを示唆しています。
つまり、「喫茶去」は、「雑念を捨て、今この瞬間に徹底的に集中せよ」という、禅の核心を日常の行為を通じて示す言葉です。
次回はこの禅語を元にして、実践してみます。私はコーヒーが好きなので、「今、ここ」を意識しながら入れてみます。その感覚を語りますのでお待ちください。
